皆さんは、自身が大切にしているものや愛するものがある危機に直面した時、どのような行動を取りますか?解決のために奔走しますか?それとも、仕方がないと諦めますか?
以下に紹介するProtect Our Winters(POW)は、大好きな雪山を気候変動から守りたいという、あるスノーボーダーの1つの熱い思いから生まれた団体です。気候変動の問題は様々な切り口から考えることができます。ご自身の大切なものと気候変動を重ね合わせながら、ぜひご一読下さい。
スノースポーツを通して気候変動から地球を守る活動をしているProtect Our Winters JAPAN(以下、POW JAPAN)は、2018年9月にこの力強いメッセージと共に長野県大町市で発足し、白馬村で活動をスタートしたNPOです。
POWの始まりは、ある1人のプロスノーボーダーの行動からでした。アメリカ出身のプロスノーボーダージェレミー・ジョーンズ氏は、自身が愛する自然のフィールドである雪山が、気候変動によって小雪などの影響を受けていることに危機感を感じていました。何か行動を起こす必要があると感じたジョーンズ氏は、2007年に同じ意識をもつ仲間たちと共にProtect Our Winters(POW)を立ち上げ、冬と地球を守るためのアクションを起こすことを決めました。その後POWの活動は世界12ヵ国に広がり、2019年2月にはスノーボーダーの小松吾郎氏を中心にPOW JAPANとして日本でも活動が開始されました。
現在POW JAPANは「スノーコミュニティの情熱を、気候変動問題を解決するムーブメントに変える」というミッションを掲げ、長野県白馬エリア(大町市、白馬村、小谷村)を中心に様々な活動を行っています。イベントやシンポジウムの開催のみならず、署名活動を通した政治へのアプローチ、サポート企業と協力した気候変動アクション、グローバル気候マーチ*への参加など、コミュニティと協働した数々の取り組みはメディアでも取り上げられ、今やスノースポーツの垣根を越えて多くの人々から支援されています。
POW JAPANのホームページには、冬を守るために私たちが足元からできる様々な方法も分かりやすく掲載されています。スポーツが好きな人も苦手な人も、まずは彼(女)らの地球の冬を守りたいという熱い情熱と共に、一緒にアクションを始めてみてはいかがでしょうか?
*グローバル気候マーチとは、Fridays for Future(未来のための金曜日)が行う気候変動問題の啓発及び対策を求めることを目的とした気候ムーブメントを指します。
文責:岡田英里