生物多様性とは?(英語)
https://www.ourplanet.com/en/video/what-is-biodiversity/
生物多様性条約は、1992年ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)において、気候変動枠組条約と時を同じくして採択されました。気候変動の進展に伴い、地球上の生物たちの生息環境が脅かされ、生物多様性にも深刻な影響を及ぼしています。*1 生物多様性と気候変動は不可分の課題としても認識されるようになりました。
2020年は生物多様性のスーパーイヤーと呼ばれています。なぜなら今年10月に生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)が中国で開催され、2030年に向けた10年間の目標が策定される予定だったからです(新型コロナウィルスの影響で会議は来年の5月に延期されます)。
今から10年前の2010年には、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が愛知県名古屋市で開催されました。2011年から2020年を「国連生物多様性の10年」と位置づけ、各国の人々と協力し、生態系の保全に取り組んできました。来年に延期されたCOP15では、生物多様性枠組の採択及び関連する実施手段が検討されます。
特にここで注目したいのは、社会変革のツールと解決策の一つとして「教育、知識」が検討されていることです。昨年2019年のIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)第7回総会では、多様な知識体系の教育や自然の持続可能な利用に関して科学的知見だけでなく先住民族や地域住民の知恵や知識も含めて議論され、報告書に盛り込まれました。*2
さて、生物多様性のための教育とはどのような教育なのでしょうか。ここでは生物多様性に関する教育の一例として、知識を楽しく学べるWWF UKによる教材を紹介します。気候変動と生物多様性に関連した題材です。絶滅の危機に瀕しているウミガメ・ゾウ・ホッキョクグマが登場します。動物たちの窮状が英文で説明されています。英語、理科、図工、家庭科などの授業で活用してみてはいかがでしょうか。(https://www.wwf.org.uk/updates/get-making-makeclimatematter)
また、気候変動と生物多様性との関連性を理解した後に私たちの暮らしとのつながりについても考えてみましょう!例えば、日本の消費とアジアゾウにはどのような関わりがあるのでしょうか。WWFジャパンによる記事(https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/4306.html)を参考に、私たちができることを考えてみると「自分ゴト」へとつながっていくことでしょう。ぜひ、クラスのみんなで色々なアイデアを出し合ってみてください。
*1 ストックホルム・レジリエンス・センターによると「生物多様性の損失率」は限界値を超え、リスクが高いという研究結果が発表され、生物多様性は気候変動よりも危機的状況であると言われています。
・9つのプラネタリー・バウンダリーについて:幸せ経済社会研究所ホームページ(https://www.ishes.org/keywords/2015/kwd_id001823.html)
*2 気候変動ではIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書がありますが、生物多様性にはIPBES(生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)の報告書があります。IPBESは2012年に設立され、2013年から毎年総会が開催され、2019年にはIPBES第7回総会がありました。
・IPBES地球規模評価報告書政策決定者向け要約(日本語版)
(https://www.iges.or.jp/jp/pub/ipbes-global-assessment-spm-j/ja)
・IPBES地球規模評価報告書からのメッセージと生物多様性ポスト愛知目標に向けた展望(日本語版)(https://www.iges.or.jp/jp/pub/briefing-note-biodiversity/ja)
・IPBESのホームページ(英語)
(https://ipbes.net/)
※ 国連生物多様性条約の補助機関会合(SBSTTA、SBI)が2020年9月15~18日に開催され、国連生物多様性条約事務局によるGlobal Biodiversity Outlook 5 (GBO-5)(地球規模生物多様性概況第5版)が公表されました。
次のURLからGBO-5を入手できます。(https://www.cbd.int/gbo5)
文責:神田和可子