気候変動という問題の根底には、人間も含めて自然界の生きものは相互に依存しあっているのにも関わらず、そのつながりを断ってきた人間の「自然観」があります。持続可能な社会の構築を目指すのであれば、この「自然観」の変容が必要となります。加えて、気候変動はほかの諸課題から独立しているのではありません。気候変動を起こした要因は多様に絡み合っており、また気候変動によって生じる課題も互いに影響を受けています。
上記をふまえると、気候変動教育では、どのような課題がどのように関わりあっているのかを学ぶ必要があるといえます。上に述べた2点に共通しているのは、「ものごとの相互関係」を読みとることが希望を見出す第一歩となり得るという点です。そのための思考スキルを身につけることは重要です。
「システム思考」とは、上記にあげた「ものごとの相互関係を読みとる」思考を指します。では、「システム思考」はいかにして育まれるのでしょうか。今回の記事では、「システム思考」を育むアクティビティが記載されている文献を紹介します。なかには、アイスブレークとして使えるゲームもあります。新学期の始まりに役立つかもしれません。
The Systems Thinking Playbook: Exercises to Stretch and Build Learning and Systems Thinking Capabilities
著者:Linda Booth Sweeney, Dennis Meadows
この本では、システム思考を育むさまざまアクティビティが記載されています。例えば、みんなで輪になって連想ゲームをし、出された言葉どうしのつながりを、毛糸を用いて可視化させるワークなどです。座って簡単にできるものから身体を動かすものまで揃っています。
出版社:Chelsea Green Publishing
文責:本川絢子